衣服の素材開発は日進月歩ですが、古くから人々の生活の中で親しまれ、育まれた天然素材たちリネン、シルク、ウール、コットンなどの価値が変わることはありません。衣服としての優れた性能、色彩の美しさ、ぬくもり、肌なじみ、つまりはその機能性だけでなく感性に響く心地よさも天然素材の魅力と言えます。
今回はこれからの季節にぴったりな夏スーツやスラックスのお仕立で人気のウールファブリック“ポーラー”についてご紹介します。
“ポーラー（フレスコ）”
２本(２PLY)もしくは３本(３PLY)の“強撚糸(強く撚った糸)”用い織られた生地で、通気性が高く、強度があり、シワになりにくい、夏に向けた素材としての特徴を備えたポーラー織り。フレスコとしての呼称もポピュラーですがこちらは英“Martin sons＆co.”社の商標となります。
暑い夏には薄くて軽い生地が注目されがちですが、ポーラー(フレスコ)の印象はしっかりとした生地感とともに重さがあるものが多いのもその特徴です。その中でもイギリスもの、イタリアもの、各社様々な特徴を持ったポーラー生地がラインナップしておりますが、歴史あるサマーファブリックとして、何より夏を快適に過ごすスーツ生地としてご提案しております。
William Halstead｜wool 100% | 310ｇ | made in England
1875年、英ブラッドフォードにて創業。正統派な英国クラシックスタイルを体現する生地ブランドとして評価されています。上記の他にウール＆モヘアのコレクションなどもオススメです。
HARRISONS｜FRONTIER｜wool 100% | 300ｇ | made in England
スーツの聖地 サヴィル・ロウにおいて定番の合服地として長い間親しまれてきた”フロンティア”シリーズ。抜群のハリとコシによって実現される仕立て上がりの美しさと、優れた回復力が高い評価を受けてきた理由です。
Fox Brothers｜FOX AIR｜wool 100% | 285-315ｇ | made in England
VITALE BARBERIS CANONICO｜wool 100% | 250ｇ | made in Italy
２PLYのフレスコで250gともなればやや軽めの部類になりますがポーラー織りの張りコシの中に適度なしなやかなと着心地を合わせ持ち、伝統的な生地を踏襲しつつ現代的なアレンジを加え新たな価値を生むイタリアブランドの真骨頂と言えるカノニコ社の”SUPER SONIC”
